過ごしやすい秋の風が心地よいこの季節。子どもたちと公園へ出かける機会もぐっと増えます。
どんぐり拾いや落ち葉集めは秋の定番の遊びですが、実は音楽の視点で見ると、秋の公園は世界にひとつだけの「天然のコンサートホール」です。
普段何気なく通り過ぎている景色も、「耳」を澄ませて歩いてみるだけで、子どもの好奇心と表現力をぐんと引き出す特別な体験に変わります。今回は、兵藤楽器店ならではの視点で楽しむ、秋の「音育(おといく)おでかけ術」をお届けします。
1. 五感をひらく!親子で楽しむ「音探しゲーム」
公園に着いたら、まずは耳を澄ませる合図として「いま、どんな音が聴こえるかな?」と子どもに問いかけてみてください。視覚だけでなく聴覚を意識させることで、子どもたちの観察力は驚くほど鋭くなります。
- 足もとのパーカッション
- 乾燥した落ち葉の上を歩くときの「カサカサ」「サクサク」
- まだ湿り気のある葉っぱの「ペタペタ」
- 「大きな怪獣の足音」「忍者の足音」など、歩き方を変えて音の強弱を楽しむのがおすすめです。
- 木の実のカスタネット
- 拾ったどんぐりを2つ両手に持って「カチカチ」と打ち鳴らす
- 乾いた小枝同士を擦り合わせて「シャリシャリ」鳴らす
- 風と生きもののハーモニー
- 高い木の上で葉が擦れ合う「サワサワ」
- 秋風の「ヒュー」という音や、遠くで鳴く鳥の声
大人が「いい音だね」「面白いリズムだね」と共感して言葉にしてあげることで、子どもは「音を聴く楽しさ」をぐんぐん吸収していきます。

2. 拾った木の実でおうち工作!「オリジナル・どんぐりマラカス」
散歩から帰ったら、拾ってきた秋の宝物を本物の楽器に仕立ててみましょう。
安全に楽しむための下処理
拾ったどんぐりは、そのまま部屋に置いておくと小さな虫が出てきてしまうことがあります。工作の前に必ず下処理をしておくと安心です。
- 煮沸する場合: 沸騰したお湯でどんぐりを3〜5分ほど茹で、水分を拭き取って風通しの良い日陰で数日間しっかり乾かします。
- 冷凍する場合: ビニール袋に入れて冷凍庫で1週間ほど凍らせたあと、しっかり自然乾燥させます。
作り方と音の実験
乳酸菌飲料の空き容器や透明なカプセルトイの殻、小さめの空きペットボトルにどんぐりを入れてフタをします。誤飲防止のため、フタや合わせ目はビニールテープで頑丈に固定してください。
ここでのポイントは、入れる素材や個数を変えて「音の聴き比べ」をすることです。
- どんぐり3個と10個では、どちらが重たい音になる?
- 小石を入れた容器と、どんぐりを入れた容器で音はどう違う?
- プラスチック容器と紙コップでは、響き方はどう変わる?
「どっちの音が好き?」と一緒に鳴らし比べをすることで、音色の違いを感じ取る耳が育ちます。

3. 自然の音に触れることが、豊かな「表現力」の土台になる
私たち兵藤楽器店がレッスンや日々の音楽活動の中で感じるのは、「いい演奏ができる子」や「自分をのびのび表現できる子」は、身の回りの音をじっくり聴く力を持っているということです。
ピアノやエレクトーンを弾くとき、ただ鍵盤を押すだけではなく、「どんな強さで鳴らすとどんな響きになるのか」「自分の音とお友達の音がどう重なっているか」を感じ取れるかどうかが、豊かな演奏につながっていきます。
落ち葉を踏みしめる音、風がそよぐ音、どんぐりが転がる音。デジタルな電子音にあふれる今だからこそ、自然が奏でる不規則で温かい音に触れる時間は、子どもたちの感性の引き出しを豊かに耕してくれます。
今週末のお散歩は、ぜひ耳を澄ませて、親子で秋の素敵な音楽を見つけに出かけてみませんか。










